❶食事場所とトイレは離して
食事場所とトイレは離しましょう。野生時代の猫は、食事場所と排せつ場所を分けて暮らしていたので、近いとそこで食べなくなったり、トイレを使わなくなったりする可能性があります。
今やほとんどの猫ちゃんは室内飼育。事故や感染症予防の面では理想的ですが、猫の習性に配慮しない環境だと、ストレスの原因になることも。
そんな猫ちゃんが室内でも快適に暮らせるような住まいづくりのポイントを知っておきましょう。
<監修>東京猫医療センター 院長 服部幸先生
北里大学獣医学部卒業。2年半の動物病院勤務。2005年より猫専門病院の院長を務める。2006年にアメリカのテキサス州にある猫専門病院 Alamo Feline Health Centerにて研修プログラム修了。2012年東京猫医療センターを開院する。2014年 JSFM(ねこ医学会)理事。15年間、猫の専門医療に携わる。主な著書に、『猫を極める本』(エデュワードプレス)、『もっと! ネコにウケる』(ワニブックス)、『猫専門医が教える こんな時どうする?』(洋泉社)など。
猫がどんな動物なのかを知ったうえで、室内飼育でも、その生態や習性をできるだけ尊重してあげることが、快適な住まいづくりのポイントです。
食事場所とトイレは離しましょう。野生時代の猫は、食事場所と排せつ場所を分けて暮らしていたので、近いとそこで食べなくなったり、トイレを使わなくなったりする可能性があります。
猫ちゃんはキレイ好きで、とくにトイレには神経質。つねに清潔をキープしましょう。また、多頭飼育の場合は、トイレは複数用意してあげましょう。
室内にくつろげるスペースをつくってあげます。日当たりのいい窓際や、高い所などがおすすめ。お気に入りの複数箇所に、ベッドやクッションを用意してあげるのもいいですね。
室内飼育は運動不足になりがち。段差をつけて家具を配置したり、猫用タワーを設置したりして、猫ちゃんの得意な上下運動ができる環境を整えてあげましょう。
猫ちゃんは、部屋の出入口でのマーキングや寝起きのストレッチとして、よく爪とぎをします。壁や家具を傷つけられないよう、ドアの近くや寝床のそばなどに爪とぎ器の設置を。
寒さはもちろん、夏の高温多湿も苦手な猫ちゃん。エアコンなどで快適な室温を保ってあげましょう。毛の長さや年齢、体格に合わせて夏は26~28℃、冬は20~22℃を目安に、様子を見ながら調節を。
室内には、猫ちゃんが食べたり、いたずらすると危険なものがたくさんあります。
危険なものや壊されたら困るものなどは、猫ちゃんの届かない場所に片づけておきましょう。