お口の健康維持のためにお手入れの習慣を
お口のケアは、大切な健康管理のひとつ。猫ちゃんは人より歯垢が歯石になりやすく、お口の健康課題も多いので、子猫の頃から歯みがき習慣をつけて、口内を清潔に保ちたいですね。
2歳までの約70%が歯周環境に課題がある※といわれる猫ちゃん。
慣れないとハードルの高い歯みがきですが、
無理せずできるケアで、歯とお口の健康を守ってあげましょう。
※WSAVA Global Dental Guideline (WSAVAホームページ閲覧日:2020年10月7日)
<監修>東京猫医療センター 院長 服部幸先生
北里大学獣医学部卒業。2年半の動物病院勤務。2005年より猫専門病院の院長を務める。2006年にアメリカのテキサス州にある猫専門病院 Alamo Feline Health Centerにて研修プログラム修了。2012年東京猫医療センターを開院する。2014年 JSFM(ねこ医学会)理事。15年間、猫の専門医療に携わる。主な著書に、『猫を極める本』(エデュワードプレス)、『もっと! ネコにウケる』(ワニブックス)、『猫専門医が教える こんな時どうする?』(洋泉社)など。
人の場合、歯垢が歯石になるのに約25日間、対して猫はわずか1週間程度。
歯石になると歯みがきをしても除去することはできないので、そうなる前のお手入れが大切です。
お口のケアは、大切な健康管理のひとつ。猫ちゃんは人より歯垢が歯石になりやすく、お口の健康課題も多いので、子猫の頃から歯みがき習慣をつけて、口内を清潔に保ちたいですね。
歯みがきは子猫のときから始められれば慣れやすいですが、成猫になってからでは時間がかかります。気長に取り組むのがポイントです。
猫ちゃんが少しでも嫌がったら、すぐやめること。ムリ強いすると、二度とさせてくれなくなるばかりか、飼い主さんも手をかまれるなどして危険です。無理せずできることから始めましょう。
順応性の高い子猫であっても、いきなり歯ブラシを使って歯みがきを始めるのは無謀です。
次のようなステップを踏んで、少しずつ慣らしていきましょう。
まず、お口に触られることに慣れさせることからスタート。指に猫ちゃんの好みの味の歯みがきジェルや、ささみのゆで汁などをつけてもOK。
お口に触られても大丈夫になったら、指に巻いてみがく歯みがきシートで歯をこすってみましょう。歯みがきシートは指に近い感触なので、猫ちゃんの抵抗感が少ないかも。
次は指サック歯ブラシを試してみましょう。指みがき感覚で歯ブラシほど柄が硬くないので、歯みがき初心者の飼い主さんも扱いやすいのがメリット。
指サック歯ブラシもクリアしたら、いよいよ本格的な歯ブラシケアへ。すべてみがききろうとせず、猫ちゃんが嫌がったらすぐやめて。今日は右側、明日は左側…と、分けて歯みがきをしてもかまいません。
どうしても猫ちゃんが歯みがきを嫌がったら・・・?
そんなときは、お口のお手入れをあきらめてしまうのではなく、いまできるケアからスタートしましょう。
噛むことで歯の汚れが落ちる「歯みがきおやつ」。いろんな味が出ているので、猫ちゃんの好みのものを選びましょう。おやつとして食べさせるだけの“おいしい”お口のケアは、今日から始められる一番カンタンな方法です。